「お母さん、僕、もう算数の問題が分からなくなっちゃった……」
小学2年生の息子が、学校から帰ってくるなり、ランドセルから1枚のプリントを取り出した。
そこには、大きな赤いバツ印がついていた。
問題はこうだった。
「畑に大根が12本植えてあります。朝に4本抜き、夕方に3本抜きました。畑に残っている大根は何本ですか?」
息子の答えは「5本」。
私は問題文を読み、思わず息子に尋ねた。
「どうして5本なの?」
「最初に12本あったでしょ。朝に4本抜いたら8本になって、夕方に3本抜いたら5本になるんだよ」
息子は自信を持って説明した。
もちろん、計算は合っている。
ところが、先生はその答えに大きなバツをつけ、赤字で「問題をよく読もう!」と書いていた。
「先生に聞いたら、もっとよく考えなさいって言われたんだ」
息子はうつむいた。
私は念のため夫にもプリントを見せた。
夫も問題文を読み終えると、すぐに言った。
「5本で正解だろ。これのどこが間違いなんだ?」
実は、以前にも息子は算数のプリントで正解にバツをつけられたことがあった。
そのときも先生は、問題をよく読むようにと言っていたらしい。
私は息子に言った。
「あなたの計算は間違っていないよ。お母さんが先生に確認してくるね」
翌朝、私は答案用紙を持って学校へ向かった。
職員室で担任の先生に事情を説明すると、先生はプリントを一瞥して言った。
「お母さん、算数では問題文を正しく理解することが大切なんです」
「もちろんです。でも、この問題の答えは5本ですよね?」
すると先生は、少し面倒そうな顔をした。
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