「40秒じゃないの!?これ、どこが間違ってるの?」
小学生の算数プリントを見て、私は思わず声を上げた。
問題文はとても簡単そうだった。
『1階から5階まで行くのに20秒かかるエレベーター。1階から10階まで行くのに何秒かかるでしょうか。』
それを読んだ瞬間、私は何の迷いもなく40秒だと思った。
5階まで20秒なら、10階まではその2倍。
普通に考えれば、そうなる気がする。
ところが、プリントに書かれた「40秒」という答えには、大きな赤いバツがついていた。
しかも、その横には先生のコメントまであった。
『足し算からやり直してこい!』
「えっ、そこまで言われるような間違いなの?」
私は驚いて、もう1度問題を読み直した。
何度読んでも、最初は40秒にしか思えなかった。
「1階から5階まで20秒でしょ?」
「うん」
「じゃあ、1階から10階なら40秒じゃない?」
家族に聞いてみると、意外な返事が返ってきた。
「いや、それは違うと思う」
「えっ、どうして?」
「1階から5階までって、エレベーターは何階分動いてる?」
私は少し考えた。
「5階分じゃないの?」
すると、相手は首を横に振った。
「1階から2階に移動したら、何階分?」
「1階分」
「2階から3階は?」
「1階分」
「じゃあ、1階から5階までは?」
そこで、私はようやく気づいた。
「……あっ!」
そうなのだ。
1階から5階まで移動するとき、エレベーターが通過する階と階の間は4区間しかない。
1階から2階。
2階から3階。
3階から4階。
4階から5階。
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