「赤ちゃん、男の子ですね」
今日の妊婦健診で先生にそう言われた瞬間、私は思わず聞き返してしまった。
「えっ、男の子ですか?もう確定ですか?」
先生はエコー画面を見ながら、穏やかに答えてくれた。
「今のところ、男の子と考えてよさそうですよ」
妊娠20週。
お腹の中の赤ちゃんは、最近ますます元気に動くようになってきた。
まだ生まれてもいないのに、胎動がものすごい。
「ちょっと、元気すぎない?」
お腹に手を当てながら、思わず話しかけることもある。
そんな赤ちゃんが、どうやら男の子らしい。
私は診察室を出てから、エコー写真を何度も見返した。
「男の子かぁ……」
そして思った。
最悪だ。
いや、もちろん本当に嫌だという意味ではない。
むしろ、その反対。
これから先の未来を想像したら、楽しみすぎて、愛おしすぎて、最後には絶対に泣くことになる気がしたのだ。
まず、服。
私はこれまで、赤ちゃんの服を見るのが大好きだった。
小さなフリルが付いた服。
花柄のワンピース。
かわいいリボン。
そんなものを見るたびに、いつか自分の子どもにも着せたいと思っていた。
でも、男の子だったらどうなるんだろう。
もちろん男の子だって、好きな色やデザインの服を着ればいい。
でも、もし恐竜や車が大好きな子に育ったら?
「ママ!これがいい!」
そう言って指さすのは、きっと大きな恐竜が描かれたTシャツ。
「えっ、また恐竜?」
「だってかっこいいもん!」
「昨日も恐竜の服買ったよ?」
「こっちはティラノサウルス!昨日のはトリケラトプス!」
……絶対に言い返せない。
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