朝5時30分。
まだ布団の中で眠っていた私は、突然響いてきた大きな音で目を覚ました。
「ガガガガッ!ゴゴゴゴッ!」
続いて、重機がバックするときの警告音が聞こえてきた。
「ピーピー、ピーピー!」
私は布団をかぶり直し、思わずため息をついた。
「……また始まった」
窓の外では、隣の病院の駐車場で除雪作業が行われていた。
私は雪国に住んでいる。
冬になると雪が積もるのは当たり前だし、道路や駐車場の除雪が必要なことも十分理解している。
むしろ、除雪をしてくれる人たちには感謝している。
雪が積もったままでは車を出せなくなるし、歩くのも危険になる。
特に病院なら、患者さんや職員の方が安全に出入りできるよう、駐車場を整備しなければならないだろう。
それは分かっている。
でも、毎年どうしても納得できないことがある。
それが、除雪作業の開始時間だった。
「朝5時30分って、さすがに早すぎない……?」
病院の駐車場は広く、除雪車が動き始めると、かなり大きな音が周囲に響く。
タイヤが雪を踏みしめる音。
エンジンの低い振動音。
雪を押し出すときのガガガッという音。
そして、バックするたびに鳴る警告音。
それらが早朝の静かな住宅地に響き渡る。
「お願いだから、もう少し寝かせて……」
私は布団の中でそうつぶやいた。
最初の頃は、仕方がないと思っていた。
雪が積もっているのだから、除雪をしなければならない。
病院の駐車場なのだから、朝早くから準備する必要があるのかもしれない。
そう自分に言い聞かせていた。
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